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私の観点から申し上げますと、類似点はあります。そして、既に違いについても話をしましたので、皆様自身にもその判断を私のプレゼンテーションを聞いた上でしていただければと思います。すなわち、高度化センターとウォーターフロント・リジェネレーション・トラストがどのように似ているのか、違うのかということでありますけれども、ウォーターフロント・リジェネレーション・トラストといいますのは、土地もなく、あるいは資金もなく、公的な形で政府の認可、規制プロセスにもかかわっておりません。しかしながら、ここではっきりと申し上げられることは、私の都市、私の州、そしてカナダにおきましては、ウォーターフロント・リジェネレーション・トラストなしには私が本日お話しする2つのプロジェクトは存在しなかったであろうということであります。そして、またほかの建設中のプロジェクトも、また5年、10年先に出てくるプロジェクトも存在し得なかっただろうというふうに言われていることであります。
そこで、まずこの疑問を投げかけてみたいと思います。なぜ一体、調整機関でしかないものが存在する意義があるのかということであります。ウエーブとウォーターフロント・リジェネレーション・トラストは、ともに複合的な複数の利権者を持つ都市部に存在しているということであります。そして、その変化の度合いというものは、ますます加速しておりますし、その変化は単に国内的なプロセスや意思決定だけではなく、外部要因によってもその意思決定を促されているというのが現実であります。そして、世界各地でよりよく見られていることは、最も発展した都市部におきましては、既存の構造だけでは既にタイミングよく新たな変化に対応し切れていないということです。そして、そういった変化のメリットというものも生かし切れない。そして、経済的、社会的ベネフィットをもたらし得ないということであります。
そしてまた、お気づきのことかと思いますけれども、国連の人間居住に関する会議の第2回目の会議が、イスタンブールでことしの初めに開催されました。そこでの結論の1つは、調整機関というものはこれから光より頻繁に、またより一般的な形で世界各地で必要となってくるであろうと、そうすることによってのみ我々は今見ている変化に適切に対応していくことができるであろうと言われております。
日本に来て何日かの間、私はすばらしい業績を自分の目で見ることができました。ウエーブの果たしてこられた役割は大きいと思います。したがって、私の組織はどうかといいますと、申し上げましたようにウォーターフロント・リジェネレーション・トラストという名前を持っております。ウエーブと同じように我々は仲介機関、ブローカーと言ってもいいと思います。あるいは、もう少しまともでない言葉を使うならフィクサーとも言えるでしょう。その意味で我々は政府と協力をすることもあり、市町村、また民間とも調整をしていくわけです。我々は、組織としまして1つの足を民間部門に置き、もう一方の足を公共部門に置くということで、両方の見方を理解することによって果たし得る役割があるということです。そして、それを受けて一体人々は何を、また地域社会は何を求めている

 

 

 

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